不動産コラム
2025年11月3日
オフィス個室の種類と選び方|ブース・パーテーション・レンタル個室の比較と設置時の確認項目

オフィスに個室スペースを設ける動きは、Web会議・集中作業・機密性の確保といった実務要件から、規模を問わず広がっています。一口に「オフィス個室」と言っても、可動式の個室ブース、パーテーションによる簡易区画、造作壁による本格的な個室化、外部のレンタル個室やシェアオフィスの利用など、手段は大きく異なり、費用感・工事の要否・法令対応の論点もそれぞれ違います。
本稿では、名古屋市内で事業用物件を検討される方や既存オフィスの個室化を考える方向けに、個室のタイプ別の特徴と選び方、設置時に押さえておきたい消防法・建築基準法の論点、レイアウトの整理手順、そしてレンタル個室・シェアオフィスを活用する場合の比較観点を整理しました。「そもそも自社に個室が必要か」「どの方式が合うか」を判断する前段の材料としてご活用ください。
オフィスに個室スペースを設ける動きは、Web会議・集中作業・機密性の確保といった実務要件から、規模を問わず広がっています。一口に「オフィス個室」と言っても、可動式の個室ブース、パーテーションによる簡易区画、造作壁による本格的な個室化、外部のレンタル個室やシェアオフィスの利用など、手段は大きく異なり、費用感・工事の要否・法令対応の論点もそれぞれ違います。
本稿では、名古屋市内で事業用物件を検討される方や既存オフィスの個室化を考える方向けに、個室のタイプ別の特徴と選び方、設置時に押さえておきたい消防法・建築基準法の論点、レイアウトの整理手順、そしてレンタル個室・シェアオフィスを活用する場合の比較観点を整理しました。「そもそも自社に個室が必要か」「どの方式が合うか」を判断する前段の材料としてご活用ください。
オフィス個室の基本タイプ
大きく分けて4つの方式がある
オフィスで個室機能を確保する手段は、大きく次の4つに整理できます。目的・予算・既存テナント契約の制約に応じて、組み合わせて使うのが一般的です。
- 可動式の個室ブース:箱型の製品を床に置くだけで設置できるタイプ。工事不要で移設しやすく、1人用・2人用・4人用など用途別に選べる。Web会議や集中作業用として導入されることが多い。
- パーテーション区画:床から天井まで届かない簡易的な仕切りで区画する方式。レイアウト変更の自由度が高くコストも抑えやすい一方、遮音性は造作壁に劣る。
- 造作壁による個室化:天井まで届く壁と扉で本格的に区画する方式。遮音性・プライバシー性が高い反面、工事費と原状回復コストが発生し、レイアウト変更は難しい。
- 外部のレンタル個室・シェアオフィス:自社オフィス内に個室を作らず、必要な時だけ外部の時間貸し個室や月額契約の個室を利用する方式。
利用人数と用途で選ぶ
個室ブースは利用人数別に選ぶのが基本です。
- 1人用:Web会議・オンライン商談・集中作業向け。フットプリントが小さく、執務エリアの一角に置きやすい。
- 2〜3人用:1対1の面談、少人数の打ち合わせ、採用面接などに適する。
- 4人以上:定例会議・プロジェクトミーティング用。設置スペースに余裕が必要なため、会議室がないオフィスでは造作壁またはレンタル会議室との比較になる。
利用頻度が低い用途(月数回の採用面接など)であれば、自社で個室を作るよりシェアオフィスや時間貸しの会議室を使う方が経済的なケースもあります。
個室化のメリットと注意点
得られる効果
- Web会議時の音漏れ・周囲への声の被りを抑えられる
- 顧客情報や人事情報など機密性の高い会話をオフィス内で行える
- 集中作業時の視線・雑音を遮断できる
- 役職者の執務スペース・商談スペースを確保できる
考慮すべき課題
- コミュニケーションの分断:個室を増やしすぎると部署間の偶発的な対話が減り、情報共有が遅れる可能性がある。オープンスペースとの併用が基本。
- 床面積の消費:ブース1台につき1〜2坪程度を占有する。既存オフィスの密度が高いと席配置の見直しが必要になる。
- 稼働率のばらつき:特定の時間帯に利用が集中し、ほかの時間は空いたままというパターンもある。導入前に予想利用シーンを洗い出しておきたい。
- 契約物件の制約:ビルによっては床固定や壁面加工に制限がある。可動式ブースであれば影響は少ないが、造作工事を伴う場合はオーナー・管理会社への事前確認が必須。
個室ブース製品の選び方
主要メーカーと製品ライン
可動式個室ブースは複数のオフィス家具メーカーから製品がリリースされています。価格は構成や人数・仕様により幅があるため、見積りは代理店・販売店を通じて取得するのが一般的です。
- コクヨ「WORKPOD」シリーズ:2020年発売の可動式ブース。1人用・4人用・床面積を広げた「WORKPOD FLEX WIDE」などラインナップが拡充されている。機械給気による常時換気と人感センサー付き照明・ファンが特徴。
- オカムラ「drape」「Bresta」「TELECUBE」「SnowHut」など:1人用の省スペース型から多人数用まで幅広い。吸音パネルやガラスパネルの組み合わせで、閉鎖度合いを選択できる。
- このほか、各種オフィス家具メーカー・パーテーションメーカーが同等の製品を展開しており、用途・設置スペース・予算に合わせて比較検討できる。
製品比較で確認したい項目は次のとおりです。
- 遮音性能(メーカー公表値、実測値)
- 換気方式(自然換気/機械給排気)と1時間あたりの換気回数
- 外寸・内寸と利用想定人数
- 扉の開閉方向、電源・LANポートの位置
- 組立・分解・移設のしやすさ
- 不燃材料仕様の有無(後述の法令対応に関連)
パーテーション区画 vs 造作壁
ブース製品を使わず、空間自体を区画する場合は「パーテーション」か「造作壁」の二択になります。
- パーテーション:アルミ枠+パネルなどで構成する可動・半固定の仕切り。工事期間が短くコストも抑えやすい。原状回復も比較的容易。ただし天井との隙間がある場合は遮音性が下がる。
- 造作壁:軽天下地+ボード+クロス仕上げなどで本格的に施工する壁。遮音性・意匠性は高いが、工事費・工期がかかり、退去時の原状回復費用も大きくなる。
遮音性を優先するなら造作壁、将来的なレイアウト変更の自由度を残したいならパーテーションという整理が目安です。いずれも消防設備・空調・照明との干渉を設計段階で確認する必要があります。
レンタル個室・シェアオフィスという選択肢
自社オフィス内に個室を設けない、という選択肢もあります。
- 時間貸しの個室ブース:駅周辺や商業施設に設置された個室を時間単位で利用できる。出張中のWeb会議などスポット利用向き。
- コワーキング・シェアオフィス内の個室:月額契約で個室を借りる形式。家具・通信設備込みで初期費用を抑えられるため、小規模事業・サテライト拠点・短期プロジェクトに向く。
- サービスオフィス:受付対応・郵便物管理・会議室利用まで含む月額契約型。法人登記可能な物件も多い。
料金体系はサービスごとに大きく異なるため、提供元の最新プランを確認してください。重要なのは「何を社内に持ち、何を外部に預けるか」という切り分けです。毎日使う執務環境は自社オフィス、月数回しか使わない会議やスポットのWeb会議はレンタルで賄う、といったハイブリッド運用も現実的です。
設置時に必須の法令対応
消防法上の扱い
天井と壁で囲まれたクローズド型の個室ブースは、消防法上「可動式ブース」として取り扱われ、内部が建築基準法でいう「居室」に該当する扱いを受けます。そのためオフィス本体と同様に、自動火災報知設備・スプリンクラー設備などの消防設備の適用を受ける可能性があります。
2023年3月に公表された通知(消防予第211号)では、一定の条件を満たせば個室ブース内部の消防設備設置が不要となる特例の考え方が示されました。条件には「床面積が6平方メートル以下」「天井・壁が不燃材料で仕上げられている」「ブース内に住宅用下方放出型自動消火装置が設置されている」などが含まれます。条件を満たさない場合は、通常の居室と同様の消防設備対応が必要になります。
設置フロアの既存消防設備の配置、スプリンクラーの有無、高層階・地下階かどうかによって必要な手続きが変わるため、ブース購入前にビルの管理会社・所轄消防署・設置業者の3者で確認するのが安全です。
建築基準法上の論点
クローズド型の個室ブースが「居室」扱いになると、換気・採光・排煙・避難経路の基準もかかわってきます。具体的には次の項目を確認します。
- ブース内の必要換気量を満たしているか(機械換気方式・換気回数)
- 避難経路・通路幅を塞いでいないか
- 使用する内装材が不燃・準不燃に該当するか
パーテーションや造作壁による区画の場合も同様に、区画後の各室が建築基準法・消防法の基準を満たすかをチェックする必要があります。
配線・換気・安全対策
- 電源・通信配線:電源容量が十分か、OAフロア下を通せるか、露出配線になる場合のモール処理。
- 換気:既存の空調との干渉を確認。天井のある個室ブースでは本体側の換気ファンの能力が鍵になる。
- 耐震固定:地震時の転倒・滑動を防ぐため、本体の重量と固定方法を確認。ビルによっては床固定が制限されることがあるため、重量物として自立する製品か、アンカー不要の転倒防止金具が使えるかを事前に見る。
レイアウト設計の進め方
狭いオフィスで個室を確保する工夫
- 1人用ブースを1〜2台、執務エリアの壁側に配置する
- フリーアドレスと組み合わせ、デスクを減らしてブース設置スペースを捻出する
- ガラスパーテーションを使い、視線は遮りつつ閉塞感を出さない
- 打ち合わせ用途は外部のレンタル会議室と使い分ける
役職者用・チーム用で分ける場合
- 役職者用個室:遮音性と来客対応動線を優先。扉付きの造作個室またはクローズド型ブース。
- チーム用半個室:ガラスパネルで明るさを確保しつつ、日常会話を隣のチームに漏らさない程度の区画。レイアウト変更を想定するならパーテーション。
名古屋で物件を検討する際の観点
名古屋市内で事業用物件を探す段階で個室化を想定している場合、物件の仕様側でも次の点をチェックしておくと、入居後の手戻りが減ります。
- 天井高:天井のある個室ブース(高さ約2.1〜2.3m前後の製品が多い)が無理なく設置できるか。
- 床仕様:OAフロアかフラットフロアか。電源・LAN配線の取り回しに影響する。
- 空調の独立性:個別空調かセントラル空調か。区画後の温度ムラに直結する。
- 消防設備の配置:スプリンクラー・感知器の既存配置と、個室化した場合の再配置の必要性。
- 原状回復の範囲:造作工事を行う場合、退去時にどこまで戻す必要があるかを契約書で確認。
- 分電盤容量:ブース内照明・換気ファン・ディスプレイ等の増設に耐える容量があるか。
可動式の個室ブースで済ませるのか、造作壁で本格的に区画するのかによって、必要な物件スペックは変わります。逆に、既に入居中のオフィスで個室化を検討する場合は、現行契約の制約(壁面・床への加工可否、原状回復条件)を先に押さえてから手段を選ぶのが合理的です。
よくあるご質問
Q. 個室ブースを置くだけなら法令対応は不要ですか?
A. 置くだけでも、天井と壁で囲まれたクローズド型は消防法上「可動式ブース」として扱われ、内部が「居室」に該当する前提で消防・建築基準法の条項がかかわってきます。床面積や不燃材料仕様、設置フロアの既存設備状況によって必要な対応が変わるため、購入前にビル管理会社・所轄消防署・販売店で確認してください。
Q. ブース購入と造作工事、どちらが得ですか?
A. 入居期間・必要個室数・遮音要求レベル・退去時の原状回復条件で変わります。短期・流動的な運用ならブース、5年以上同じレイアウトで使う前提で高い遮音性が必要なら造作壁、というのが大まかな目安です。入居前であれば、物件選びの段階で内装自由度(B工事・C工事の範囲)を確認しておくと、後の判断が容易になります。
Q. 既存テナントでも個室ブースを持ち込めますか?
A. 多くの場合、可動式ブースは什器扱いで持ち込めますが、消防設備の再設定が必要になるケースや、床アンカーが禁止されているケースがあります。設置予定の重量・寸法・電源条件をまとめ、事前にオーナー・管理会社の承認を取ってから発注するのが確実です。
Q. 社内に個室を作らず、外部のシェアオフィスだけで運用するのはアリですか?
A. 選択肢として成立します。特にスタートアップ・士業・少人数の専門職では、執務はコワーキング、面談はシェアオフィスの個室という運用も一般的です。ただし頻繁に顧客来訪がある、紙資料・サーバーなど物理資産を抱える業態では、ある程度自社オフィスでの個室確保が避けられない場面も出てきます。業務実態との整合で判断してください。
まとめ
オフィス個室は「ブース」「パーテーション」「造作壁」「外部レンタル」の4つの手段を、目的と制約に合わせて組み合わせるのが実務的です。製品や工事内容の選定より先に、どの業務でどの程度の遮音・プライバシーが必要かを整理し、そのうえで物件の仕様(天井高・床・空調・消防設備・原状回復条件)との整合を取ると、手戻りの少ない導入ができます。名古屋市内で事業用物件の新規契約・移転・レイアウト変更をご検討の際は、物件選定の段階から個室化の前提条件を擦り合わせておくことをおすすめします。
会社概要
店舗名・・・株式会社ビルプランナー
所在地・・・〒460-0002 愛知県名古屋市中区丸の内2丁目18番14号
電話番号・・・052-218-4555
関連エリア
オフィス個室の導入は物件仕様と一体で検討するとスムーズです。名古屋市内で事業用物件をお探しの際は、中区・丸の内・中村区エリアの物件もあわせてご覧いただけます。
対応地域
名古屋市中区丸の内を拠点に、中区・中村区・東区・西区・昭和区・熱田区など名古屋市内全域と、名古屋市近郊で事業用物件のご紹介・オフィスビル管理を承っております。物件選定とあわせて、個室化・レイアウトの観点からもご相談いただけます。
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