不動産コラム
2026年5月22日
オフィス防災・BCP視点での物件選び|耐震・停電・水害・通信冗長化のチェック項目

南海トラフ地震や台風・集中豪雨、広域停電など、事業継続に影響を与える事象は近年その想定規模が見直され続けています。本社・営業拠点・サーバー設置拠点となるオフィスを選定する際、賃料や立地・面積だけでなく、耐震性能・停電対策・水害リスク・通信冗長化といった事業継続計画(BCP)の観点を組み込んでおくと、災害発生時の業務停止リスクを大きく抑えることができます。一方で、これらの観点は物件によって対応状況に幅があり、入居後の追加対策では補いきれない領域も少なくありません。
本稿では、名古屋市内で事業用オフィスの選定・移転を検討されている経営層・総務・BCP担当の方向けに、オフィスBCPで考慮すべき4つのリスク(地震・停電・水害・通信途絶)、物件選定段階で確認したい具体的な項目、入居後に整備すべき運用面の論点までを整理します。BCPは専門領域も多く含まれるため、最終的な策定は専門家・コンサルへの相談が推奨されますが、物件選定の入り口で押さえておくべき観点を網羅的にまとめました。
南海トラフ地震や台風・集中豪雨、広域停電など、事業継続に影響を与える事象は近年その想定規模が見直され続けています。本社・営業拠点・サーバー設置拠点となるオフィスを選定する際、賃料や立地・面積だけでなく、耐震性能・停電対策・水害リスク・通信冗長化といった事業継続計画(BCP)の観点を組み込んでおくと、災害発生時の業務停止リスクを大きく抑えることができます。一方で、これらの観点は物件によって対応状況に幅があり、入居後の追加対策では補いきれない領域も少なくありません。
本稿では、名古屋市内で事業用オフィスの選定・移転を検討されている経営層・総務・BCP担当の方向けに、オフィスBCPで考慮すべき4つのリスク(地震・停電・水害・通信途絶)、物件選定段階で確認したい具体的な項目、入居後に整備すべき運用面の論点までを整理します。BCPは専門領域も多く含まれるため、最終的な策定は専門家・コンサルへの相談が推奨されますが、物件選定の入り口で押さえておくべき観点を網羅的にまとめました。
オフィスのBCPで考慮すべき4つのリスク
事業継続計画(BCP)は本来、災害だけでなく感染症・サイバー攻撃・主要取引先の被災など多様なリスクを対象に策定するものですが、オフィス物件選びの観点では「物理的なオフィスが使えなくなる」状況を中心に整理するのが実務的です。具体的には、以下の4つのリスクに集約されます。
- 地震リスク: 建物の損傷・什器の転倒・ライフラインの寸断によりオフィスが使用不能になる。
- 停電リスク: 落雷・地震・大規模事故による広域停電で、PC・サーバー・空調・照明が停止する。
- 水害リスク: 台風・集中豪雨・河川氾濫・内水氾濫による浸水で、地下区画や低層階のサーバー・書類が損壊する。
- 通信途絶リスク: 回線障害・通信キャリア事故・周辺設備被災により、業務システム・取引先との通信が停止する。
これら4つは単独で発生することもあれば、地震に伴って停電・通信途絶・水道停止が連鎖して起きることもあります。物件選定時には、それぞれのリスクに対して建物・立地・設備がどの程度対応しているかを確認し、不足分は専有部の追加対策と運用ルールで補う、という設計思考が基本になります。
耐震性能の確認
オフィスBCPの土台となるのが建物そのものの耐震性能です。建物が損壊・倒壊すれば、停電対策や通信冗長化を整備しても事業継続は成立しません。物件選定時には、以下の観点で建物の耐震情報を確認します。
新耐震基準(1981年6月以降)への適合
建築基準法の耐震基準は1981年(昭和56年)6月に大幅改正され、いわゆる「新耐震基準」が適用されました。新耐震基準は、震度6強から7程度の地震でも倒壊・崩壊しないことを目標とした設計基準です。それ以前の旧耐震基準による建物は、現行水準と異なる前提で設計されているため、耐震補強の有無を確認することが推奨されます。
物件資料に「建築年(竣工年)」が記載されているのが一般的ですが、確認申請の時期と竣工時期にずれがあるケースもあるため、不明確な場合は管理会社・貸主に建築確認の時期を確認しておくと安心です。
耐震診断・耐震補強の履歴
旧耐震の建物でも、耐震診断を受けたうえで補強工事(ブレース増設・耐震壁増設・制震装置設置等)が行われている物件があります。診断結果や補強履歴の有無は、物件選定時にヒアリングで確認できる項目です。診断・補強済みの物件は、補強内容と補強後の評価(Is値等)を書面で確認できるかも併せて確認しておくと判断材料が増えます。
建物構造(RC・SRC・S造)
事業用オフィスビルの主な構造は、鉄筋コンクリート造(RC造)、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)、鉄骨造(S造)です。それぞれに特性があり、一概にどれが優れているとは言えませんが、構造種別を把握しておくと、揺れの伝わり方・天井や什器の固定方法・サーバーラックの設置仕様を検討する際の判断材料になります。中高層オフィスビルではSRC造・S造が多く、低層では RC造も見られます。
免震・制震構造
免震構造は基礎と建物本体の間に免震装置を設けて地震の揺れを建物に伝えにくくする方式、制震構造は建物内にダンパー等の制震装置を組み込んで揺れを吸収する方式です。これらが採用されている物件は、地震時の建物変形・什器転倒・サーバー機器のダメージを抑える効果が期待できます。一般に賃料・共益費は標準仕様の物件より高めになる傾向があるため、自社のBCP要件と費用対効果を踏まえて検討します。
停電対策(非常用電源・UPS)
停電は地震だけでなく、落雷・送電設備事故・台風など多様な原因で発生します。オフィス機能の停止だけでなく、サーバーの不正停止によるデータ破損・空調停止による機器熱暴走など、停電が引き起こす二次被害は事業継続に直結します。停電対策は、ビル側の非常用電源と、テナント側のUPS・蓄電池の組み合わせで設計します。
ビル側の非常用電源・自家発電設備
大規模オフィスビル・高グレードビルでは、停電時に建物内の最低限の電源(共用部照明・エレベーター一部・防災設備・テナント向けの一部コンセント等)を確保する非常用発電機が設置されているケースがあります。発電機の燃料種別(軽油・重油・ガス)、稼働可能時間、給電範囲(共用部のみか、テナント専有部にも一部供給されるか)、燃料の備蓄量や追加供給契約の有無などが確認項目です。物件によって仕様の幅が大きいため、必ず管理会社にヒアリングして書面で確認しておくと安全です。
蓄電池・コージェネレーションシステム
近年は、平時は省エネ・ピークカットに活用し、非常時はバックアップ電源として機能する蓄電池や、ガスを使ったコージェネレーションシステム(電気と熱を同時に供給)を備えるオフィスビルも見られるようになっています。導入されている物件では、給電可能な範囲・継続時間が明示されていることが多いため、自社の業務に必要な電源確保時間と照らし合わせて評価できます。
テナント側のUPS(無停電電源装置)
UPSはサーバー・ネットワーク機器・主要PCに対して、停電時に短時間(数分〜十数分程度)の電源供給を行い、その間にシステムを正常にシャットダウンさせるための装置です。サーバーがいきなり電源断になると、データベースの破損・ファイルシステムの不整合・記憶装置の物理損傷といった二次被害が発生しやすいため、サーバーを設置する事業者にとってUPSは事実上必須の対策です。設置にあたっては設置スペース・床荷重・電源容量・発熱対策の確認が必要です。
クラウド前提でも停電対策は不要にならない
業務システムを SaaS・IaaS 等のクラウドに寄せている事業者でも、オフィスの停電対策が完全に不要になるわけではありません。社内のネットワーク機器(ルーター・スイッチ・無線AP)、認証用のディレクトリサーバー、業務用PC、IP電話などはオフィス内で電源を必要とします。停電時にスタッフが在宅・モバイル環境へ切り替えるまでの「橋渡し」をUPS・モバイルルーター・ノートPCのバッテリーで設計しておくと、業務停止時間を短縮できます。
水害対策(立地・地下区画・サーバー設置階)
近年は気候変動に伴う集中豪雨・台風の大型化により、これまで浸水想定が小さかった地域でも被害が報告されるようになっています。物件選定時には、立地レベル・建物レベル・サーバー設置レベルの3段階で水害リスクを評価しておくと安心です。
ハザードマップの確認
名古屋市をはじめ多くの自治体では、洪水ハザードマップ・内水ハザードマップ・高潮ハザードマップ等の公開情報を提供しています。物件の所在地について、河川氾濫時・内水氾濫時・高潮時の想定浸水深、想定継続時間、避難場所などを、自治体の公開情報を確認することが推奨されます。複数のマップ(河川・内水・高潮)で評価が異なるため、想定災害ごとに確認しておくと判断材料が揃います。
地下区画・低層階のリスク
建物に駐車場・倉庫・機械室などの地下区画がある場合、浸水時に大きな被害を受ける可能性があります。とくに重要なのは、ビルの主要設備(受変電設備・自家発電機・ポンプ・通信機器等)の設置場所です。これらが地下に集約されている物件では、浸水で停電・断水・通信断が同時に発生するリスクがあります。設置階と止水板・防水扉の設置状況を、ヒアリングで確認できるかが論点になります。
サーバー・重要書類の設置階
サーバー機器・バックアップメディア・重要書類は、可能な範囲で低層階(とくに1階・地下)を避けて設置するのが基本的な考え方です。テナント専有部内でも、配置時に窓際の漏水リスク、上階からの漏水リスク、空調ドレンの漏水リスクを考慮し、可能であれば二重床・防水パンの併用が望まれます。物件選定時は、サーバー室として使えそうな区画の階数と給排水配管の位置を確認しておくと、入居後の設計がスムーズです。
通信冗長化(回線2系統・モバイル併用・クラウド前提)
事業のクラウド依存度が高まる現代において、通信途絶は単なる連絡手段の問題ではなく、業務システムへのアクセス停止に直結します。通信冗長化は、ビル側の引込仕様とテナント側の契約で組み合わせて設計します。
複数キャリア・複数回線の引込
オフィスビルによっては、複数の通信キャリア(NTT・KDDI・電力系等)の回線が引き込み可能な物件があります。プライマリ回線とセカンダリ回線で異なるキャリア・異なる物理経路を確保しておくと、片側の障害時でも通信を維持しやすくなります。物件選定時は、引込可能な回線種別と、配管の経路(ビル内幹線の冗長化状況)を、ビル運営側に確認できるかが論点です。
モバイル回線によるバックアップ
有線回線2系統の確保が難しい場合、モバイルルーター・LTE/5Gバックアップ機能付きのルーターを導入することで、簡易的な冗長化が可能です。スピード・容量に制約はありますが、メール・チャット・クラウド業務システムへのアクセスを最低限維持する用途には有効です。常時接続せずスタンバイ状態にしておく運用が一般的です。
クラウド前提の業務設計
業務システム・ファイル共有・コミュニケーション(メール・チャット・Web会議)をクラウドに寄せておくと、オフィスの通信が途絶しても、別拠点・在宅・モバイル環境からの業務継続が可能になります。BCPの観点では「オフィスが使えない時に同じ業務をどこから再開できるか」が重要であり、クラウド前提の業務設計はそれ自体が冗長化対策の一部とも言えます。なお、特定領域の業務(紙の押印・原本管理・専用機器を用いる業務等)はクラウドで代替できないため、別途代替手段の整備が必要です。
名古屋市の地域特性
名古屋市内でオフィスを構える際は、名古屋市・愛知県の地域特性を踏まえてBCPを設計することが推奨されます。一般論だけでなく、自社の所在地に紐づくリスクを把握しておくと、より実効性のある計画になります。
南海トラフ巨大地震の想定
愛知県を含む東海・南海地域では、南海トラフ地震が長期的なリスクとして指摘されています。揺れの強さ・継続時間・被害規模については国・自治体から想定が公表されており、オフィスBCPを検討するうえでは、自治体・内閣府の公開資料を確認することが推奨されます。具体的な被害断定はできませんが、「揺れが大きく、ライフライン寸断が長期化する可能性が指摘されている」前提で対策を組み立てるのが実務的です。
河川と浸水想定区域
名古屋市内には庄内川・天白川・新川など複数の河川が流れており、自治体は河川氾濫時の浸水想定区域を公開しています。中心業務地区の中でも、河川との位置関係・標高・地形によって想定浸水深が異なります。物件の所在地について、自治体の公開するハザードマップ(河川・内水・高潮等)で想定浸水深と継続時間を確認することが推奨されます。なお、ハザードマップは想定であり、実際の被害は気象状況により変動するため、確認結果はあくまで判断材料として位置づけるのが適切です。
名古屋市が公開する情報源
名古屋市は防災情報・ハザードマップ・避難所情報・地震に関する想定資料などを公式サイトで公開しています。所在地の住所を入力すると該当エリアのリスクを参照できる仕組みも提供されています。物件選定時には、候補となる物件の所在地について、公開されているマップ・資料を確認しておくとよいでしょう。詳しい解釈や事業への落とし込みは、防災コンサルや行政の防災担当窓口への相談を併用すると、より実効性のある対策につながります。
物件選定チェック項目
これまでの観点を踏まえて、BCPの観点でオフィス物件選定時に確認しておきたい項目を整理します。内見・契約前のヒアリング段階で書面で回答を得ておくと、入居後の追加対策コストを抑えやすくなります。
耐震関連
- 建築年(建築確認の年月日)、新耐震基準への適合状況。
- 耐震診断の実施有無、耐震補強履歴の有無と内容。
- 建物構造(RC・SRC・S造)、免震・制震の採用有無。
- 什器・サーバーラック転倒防止のための床仕様(コンクリート床・OAフロア等)。
電源関連
- 非常用発電機の有無、燃料種別、稼働可能時間、給電範囲。
- 蓄電池・コージェネレーション等の有無、給電範囲・継続時間。
- 専有部の電源容量、専用回路追加の可否、UPS設置の可否。
- 停電時の共用部運用(エレベーター・空調・照明)。
水害・排水関連
- 立地のハザードマップ評価(自治体公開情報)、想定浸水深と継続時間。
- 地下区画の用途、止水板・防水扉の設置状況。
- 主要設備(受変電・自家発電・通信機器等)の設置階。
- 専有部の漏水リスク(窓際・上階配管・空調ドレン)、防水パン・二重床等の対応可否。
通信関連
- 引込可能な通信キャリア・回線種別、配管の冗長化状況。
- 専有部までの配線ルートの選択肢(MDF室・EPS等)。
- 共用部のWi-Fi・モバイル電波状況(LTE/5Gバックアップ運用の可否)。
- 電話・FAX・IP電話の引込条件。
これらの項目は物件によって対応可否や条件に幅があります。ヒアリング結果は書面でまとめて保管しておくと、複数物件の比較検討や、入居後のBCP策定の基礎資料として活用できます。
入居後のBCP整備
物件の選定でハードウェア面のBCP土台が整ったあとは、運用・人・情報の整備が必要です。物件側の対策と運用側の対策がそろって、はじめて事業継続計画として機能します。
避難経路・避難計画
建物の避難経路図、消防計画、避難訓練の実施状況をビル管理側に確認し、自社のフロアプランと照らして、出口・階段までの動線・避難集合場所を社員に周知します。エレベーター停止時を想定した避難計画、車椅子使用者・妊婦・夜間少人数勤務時の対応も検討対象です。
備蓄(水・食料・簡易トイレ・モバイル電源)
大規模災害時に従業員が一時的にオフィス内に留まる(帰宅困難)状況を想定した備蓄を整備します。水・非常食・簡易トイレ・毛布・救急用品・モバイル電源(乾電池・モバイルバッテリー・蓄電池等)が一般的な対象です。備蓄品には消費期限があるため、入れ替えのスケジュールも整備しておきます。
連絡網・安否確認
災害発生時に従業員の安否を迅速に確認できる仕組みを整えます。安否確認システム(SaaS型サービス)、メーリングリスト、チャットツールのグループなど、複数の手段を併用しておくと、片側がダウンした場合でも連絡が取りやすくなります。緊急連絡先・家族連絡先の登録、夜間休日の連絡フローも整理対象です。
在宅勤務・代替拠点への切替手順
オフィスが使用不能になった場合の業務継続手段として、在宅勤務・サテライトオフィス・代替拠点での業務再開ルールを定めておきます。クラウド業務システムへのアクセス手順、社内データへのリモートアクセス、社外秘情報の取り扱いルールを事前に整備し、実際にリモートで業務が回ることを定期的にテストしておくと安心です。BCPの実効性は「策定された文書」よりも「実際に動かしたときに機能するか」で評価されるため、訓練の積み重ねが重要になります。
専門家への相談
BCPの策定・運用は、業種・規模・取引先要件によって考慮事項が大きく異なります。社内人材だけでの設計が難しい場合は、防災コンサル・BCPコンサル・損害保険会社のリスク管理サービスなど、外部の専門家への相談が推奨されます。また、業界団体・行政の中小企業向けBCP策定支援プログラムも提供されているため、これらの活用も検討対象です。
よくあるご質問
Q. 旧耐震基準の建物は、オフィスとして避けるべきでしょうか?
一律に避ける必要はありませんが、耐震診断の結果と補強履歴を確認のうえで判断するのが基本です。旧耐震でも適切な耐震補強を経た建物は、新耐震基準に近い水準まで補強されているケースもあります。一方、診断・補強の履歴が確認できない場合は、リスクの大きさを踏まえて慎重な判断が必要です。判断に迷う場合は、専門家(建築士・耐震診断士等)への相談が推奨されます。
Q. 非常用発電機がない物件は、サーバー設置に向きませんか?
必ずしもそうではありません。テナント側でUPS+クラウドバックアップを組み合わせることで、停電時にサーバーを安全にシャットダウンし、業務はクラウド側に切り替える設計も可能です。重要なのは「停電時にどの業務をどこまで継続するか」を整理し、それに必要な電源の量と時間を見積もることです。長時間の業務継続が求められる場合は、自家発電設備のあるビルや、データセンター・クラウドへの本格移行を検討するのが現実的です。
Q. ハザードマップ上で浸水想定区域に該当する物件は除外すべきですか?
地域・想定浸水深・継続時間によって判断が異なります。中心業務地区は河川・運河に近接しているケースもあり、想定浸水深が浅く短時間であれば、サーバー・重要書類を低層階に置かない、止水板を備える、といった対策で十分カバーできる場合があります。一方、想定浸水深が大きい・継続時間が長い場合は、設備設計と運用で吸収するには負担が大きく、別物件の検討も視野に入ります。自治体の公開情報を確認したうえで、自社の事業特性と照らして判断するのが適切です。
Q. 通信回線2系統の確保は、必ず必要ですか?
業務のクラウド依存度・通信途絶時の影響度によって判断します。通信途絶が即座に売上機会の損失や顧客対応の停止に直結する事業者は、有線2系統+モバイルバックアップの3重構成が望ましいケースもあります。逆に、社内業務中心で通信途絶への耐性が一定程度ある事業者は、有線1系統+モバイルバックアップでも実用上カバーできることがあります。事業特性とコストのバランスを踏まえて設計するのが現実的です。
Q. BCP策定は、社内のみで完結できますか?
規模・業種により異なります。中小規模の事業者で対象リスクが限定的な場合は、行政・業界団体の提供する策定支援ツール(中小企業向けBCP策定マニュアル等)を活用して社内で進められるケースもあります。一方、複数拠点・取引先要件が多い・規制業種に該当する場合などは、防災コンサル・BCPコンサル・損害保険会社のリスク管理サービスといった専門家への相談が推奨されます。物件選定の段階で「どこまで自社で・どこから専門家に依頼するか」を整理しておくと、入居後の動きがスムーズです。
まとめ
オフィスBCPは、地震・停電・水害・通信途絶という4つのリスクに対して、建物・立地・設備の対応状況を確認し、不足分をテナント側の追加対策と運用ルールで補う、という設計思考で進めるのが基本です。物件選定の段階で、新耐震基準への適合・耐震補強履歴・建物構造・非常用電源・UPS設置可否・ハザードマップ評価・地下区画リスク・通信回線の冗長化といった項目を、ヒアリングシートで書面化して比較しておくと、後の判断がしやすくなります。
名古屋市内では、南海トラフ地震の想定や複数河川の浸水想定区域などの地域特性を踏まえて、自治体の公開情報を確認することが推奨されます。BCPの最終的な設計・策定は専門家への相談が望ましい領域ですが、物件選定の入口で必要な観点を整理しておけば、入居後の追加工事・運用調整を最小化でき、結果として事業継続の実効性も高まります。物件選びとBCPは別々に進めるよりも、はじめから一体で検討するのが、結果として効率的です。
会社概要
店舗名・・・株式会社ビルプランナー
所在地・・・〒460-0002 愛知県名古屋市中区丸の内2丁目18番14号
電話番号・・・052-218-4555
関連エリア
BCPの観点で耐震性・電源・通信冗長化を備えやすいオフィスビルは、名古屋市の中心業務地区に集積しています。近隣の丸の内、名古屋市中区、名古屋市の事業用物件もあわせてご検討いただけます。
対応地域
名古屋市の中心業務地区である丸の内・伏見・栄・名駅、中区一帯、ターミナル拠点の金山周辺を中心に、BCPの観点を踏まえた事業用オフィス物件のご紹介を行っております。耐震性能・電源仕様・立地のハザード評価などのご要望に応じてお探しいたしますので、お気軽にご相談ください。
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